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ThinkPad701CS - コードネームはButterfly

数年前欲しくて欲しくてたまらなかったけど、値段が75万円もして買えなった PCがあった。その名もIBM ThinkPad701C。 去年までは中古も高くて買う気になれなかったけど、つい最近ほぼジャンク扱い だが動作保証で、Sofmapにて12,800円で売っていたので速攻で買った。^_^;;





フルサイズのキーボードを斜めに
分割してスライドさせて格納する
TrackWrite

買ったのはTFTモデルのTP701Cではなくて、DSTNモデルのTP701CS。 しかし、そんな事はたいした問題ではない。 TP701シリーズの魅力はなんといっても、 B5サイズにA4サイズのキーボードを格納 するTrachWriteキーボードにある。 LCDパネルを広げた時に横に大きくせり出し、 19mmピッチのデスクトップPCと同じサイズを確保する独自のキーボードである。 その動作から開発コードはButterflyと呼ばれ、ニューヨーク近代美術館にも 展示されるほどである。

しかし、今となってはスペック的に実用に厳しい。 CPUは486DX4 75MHz、メモリはサードパーティ製メモリを使用しても最大40MB。 Windows98がぎりぎり動作する範囲である。 しかし、TrachWriteのギミックとあいまって、テキスト主体の処理なら かえってミニノートより効率がよい。 特にデスクトップと同様の操作感覚がメール書きやコーディングには最適である。

CPUの古さから、LinuxやFreeBSD、BeOS等を使用したいと思うかもしれない。 しかし、残念ながら日本で入手できるモデルは3モードFDDのため、通常のインストーラ では、カーネルが動作したあとは読み込みができなくなってしまうものがある。 LinuxのFDDを使用しない方法でのインストールについては、 Linux倶楽部 のページが参考になる。 ちなみに、BeOSはインストールを試みたが、bootでストールしてしまった。 ハード要件にPentium以上、メモリ32MB以上とあり、今回の701CSは、どちらもクリアでき ていないのであたりまえと言えばあたりまえかも。

PC-UNIX系をインストールするなら お奨めは、FreeBSDとLinux MLD4。 FreeBSDは、問題なくインストーラが起動しFDDも利用できので、素直にインストールできる。 Linux MLD4 は、WindowsからFAT16/32へ直接loopファイルシステムという、仮想ディスク形式 でインストールする。この時、Windowsのネットワーク情報などを自動的に引き継ぐ ので、割り当てディスクサイズだけ入力すると後は全自動でインストールでき、ネットワーク 設定も済んだ状態になるという便利なディストリビューションである。 しかも、Windows上でアプリケーションの様にインストールできるので、FDDが必要ない。 注意としては、デフォルトカーネルはPemtium+でコンパイルされているので、付属の386 カーネルを指定して起動する必要がある。


PCカードと同じコネクタ


上が現行の外ネジ、
下が古いタイプの内ネジ

HDDの換装は簡単。 HDDはパックになっておりPCカードと同形式の68 Pinコネクタに なっており、ただ刺さっているだけである。 バッテリのふたが引っかかっているだけなので、バッテリを外した後に、裏のHDDパックと 本体の溝にコインを当てて捻れば外れる。 もともと交換を意識したつくりのようで、コネクタはPCカードと同じ形状の物がパックに 付いており、2.5"コネクタを変換するようになっている。 ただし信号はIDEのままなので、ストレージ系PCカードを刺しても動作しません。 なお、 ねじはトルクスT6 なので、普通の人はちょっとやっかいかも。 でも、DIYショップで普通に買えるので、トライする人は探してみましょう。 それから、純正の540MB/720MB 2.5"は、厚さ12.5mmなので、現行のHDDなら大抵入るでしょう。 注意点としては、純正は通称内ねじと呼ばれるネジ位置が現在の規格より内側についているので、 最近の2.5"に交換する場合は、ネジ位置が合わない。 しかし、固定できればいいので、両面テープをはってもいいし、 HDDパックはプラスチックなので、ドリルで新しい穴をあけてもOK。 ついでにネジもT6から、普通の+か-のネジに替えましょう。 それからBIOSは1024MBまでしか認識しないが、デスクトップ機などで、formatしてから接続して やれば問題なく動作する。
今回は、IBM Trabelstar DBCA-203240 9.5mm 3.25GBに交換してみたが、 BIOSでは1024MBで割ったあまりの容量が表示されるが、正常に動作した。

TP701はハイバネをサポートするが、 ハイバネ用ファイルはFAT16にしか作成できない。 このため、Windows98等でFAT32を使いたい場合は、 ハイバネ用にFAT16のパーティションを切るとそちらに自動的に作成される。

Win9x系のインストールでは、二点注意がいる。モデムとFDである。 内臓モデムは14.4kで自動認識されるが、 Win9xのドライバ定義ファイルが間違っており、 そのままではエラーでダイヤルできない。 対処は、モデムの[プロパティ]から、[詳細設定]を選び、タイムアウト時間が60秒になって いるのを50秒に直す。 これは、内臓モデムのS7レジスタが60秒を設定できないためエラーになるためである。 FDは、Win95の場合は、IBMのサイトから3モードFDDドライバをダウンロードして インストールする必要がある。Win98の場合は、標準で含まれるが、自動選択されない ので、OSインストール後にデバイスマネージャからドライバの更新を選び、 [一覧表から選ぶ]で、IBM 3 mode FDD Driveを選択する。


下の段に入れてもキーボード
とXJackの間は約1cmしかない

やっぱりWin98は、DX4 75MHzにはちと重いので、LinuxかFreeBSDにしたいが、前述の FDD問題の為、手軽にインストールできないので、とりあえずWin98で使っている。 とりあえずテキスト主体のアプリならストレス無く使える。 内臓モデムも14.4kなので、メールチェックくらいには十分使えます。 まぁ、最近の機種と異なりPCカードスロットは二つあるので、適当なカード モデムを刺せばいいのですが、 XJackはTrackWriteと干渉する ので、避けた方がいいでしょう。出てきたキーボードにモジュラが干渉します。

マウスポートは、MiniPortIIと呼ばれる、いわゆるポートリプリケータにしかついて いないので、単体でマウスを使うには、PCカード232C I/F等を使ってシリアルマウス を使う。PCカードUSB I/Fがあればよいのだが、調べたところ現在は、CardBus専用の 物しか市販されていないようだ。おそらく16bits PCカードより、USBの方が高速なため ではないかと思われる。


Text by Kazuma Aizawa
- freestyle ski combined player
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