簡単な構造なので、最初はモデリングソフトでちゃちゃっと作ってみたのですが、簡単だからこそスクリプト型のモデリングソフトを使えば、簡単に全てのブロックをモデルかできるのではないかと思い、やってみました。
使ったのは、スクリプトモデリングソフトのOpenSCADです。
http://www.openscad.org/
OpenSCADは、cubeやcylinderといった基本モデルを作成するコマンドを駆使して、コードでモデルを表現します。
このため、キュボロのような幾何学図形の作成には非常に向いています。
例えば、2番キューブのように立方体の真ん中に貫通穴を開け、表面に直線の溝を作るには、下記のコマンドのようになります。
difference() { cube(50,center=true); cylinder(h=50,r=10,center=true); translate([0,-25,0]) cylinder(h=50,r=10,center=true); } |
上記のような内部が詰まったモデルだととても簡単です。
しかし、実際に3Dプリンタで出力すると、内部(infill)がフィラメント(3Dプリンタの材料になるABSプラスチック)で埋め尽くされて、フィラメントが大量に必要になります。infillは、天井が潰れないように少なめに調整して出力しますが、それでも通常20%くらい必要なので、結構な量のフィラメントを使ってしまいます。なので、肉厚1mm程度のシェル構造にして、天板の部分は蓋型にすることで、infillもサボートも最小限ですむように工夫しました。
ただ、これだと、強度もなく、軽すぎて、ビー玉の勢いで動いてしまうため、できあがったシェル構造の内部は、安価な建築材料のシリコンシーリングを充填することにしました。シリコンシーリングは接着もしてくれるので、蓋をしてそのまま接着してしまいます。
シリコンシーリングは、ホームセンターなどで300mlで200円程度で売っています。
OpenSCADは、サイズの値を変数にして置くこともできるので、標準のキュボロサイズの50mmだけでなく、30mmといった小型版も簡単に作れるのが良いところです。
ちなみに、ビー玉は100円ショップで売っているものが、16〜17mmくらいでちょうど良いです。30mmの小型版にした場合は、10mmのビーズや、100円ショップにあるボールゲームの玉が良い感じです。
なお、写真は0.3mmピッチでプリントしたものですが、積層段差が結構あって、そのままでは、ビー玉は滑らかには転がりません。プリントは機械任せですが、仕上げはアセトン溶解や1000番程度のヤスリで丁寧に仕上げをしないと滑らかな転がりは得られません。
つまり、本家キュボロは、それだけの職人技が詰め込まれているということですね!