[2010/12/15] iPadで快適JISかな入力を実現!

iPadは、iOS4.2でかな入力がサポートされましたが、五十音順キーボードだけでした。
私は、IMEが普及する前からJISかな入力派で、一応ローマ字入力もできますが、スピードが全然違います。今回は、iPadでJIS配列のカナ入力を可能してしまおうというハックです。
なお、Jailbreakはお約束ですが、自己責任でお願いします。それから、今回の方法は、ドックケーブルかBluetoothの外付けキーボード限定です。ソフトウェアキーボードは、JIS配列のかな入力にはなりませんので、あしからず。

[2014/8/26 追記] 非純正キーボードを無理矢理JISとして使うハックはこちら

さて方法ですが、iOSは、キーボードマップがファイル化されているので、Jailbreakすれば、マッピングファイルを変更して、対応可能なのではないかと思いやってみました。

さっそくJailbreakしたiPadにsshで入ってみると、/System/Library配下に、KeyboardLayoutsというフォルダがありました。この中を見ると、USBKeyboradLayouts.bundleというのがあります。どうやら、外部キーボードなら変更が可能そうです。さらに、下位ディレクトリに降りると、uchrsというフォルダがあり、なんとその中には、なんとKANA.uchrというファイルがあるではありませんか! iOS4の開発バージョンでは、かな入力が可能だったという記事を見た記憶があるのですが、そのためのファイルの可能性があります。そこで、これをハードウェアキーとして設定してみました。手順は下記です。要は、使っていない言語の*.uchrファイルを、KANA.uchrに入れ替える方法です。今回は、キーボード選択で先頭に出てくるアイスランド語に設定してみました。

cd /System/Library/KeyboardLayouts/USBKeyboradLayouts.bundle/uchrs
mv Icelandic.uchr Icelandic.uchr.org
cp KANA.uchr Icelandic.uchr
respring

そして、[設定]→[一般]→[各国のキーボード]→[新しいキーボードを追加...]でアイスランドを選択します。これで、メモでアイスランドを選択して、入力してみます。まず、ソフトキーボードで入力すると、アルファベットそのままです。やはり、USBKeyboardというファルダでしたから、外付けキーボードが対象のようです。そこで、手持ちのDockコネクタ接続型のサードパーティ製有線キーボードをつないでみます。そして入力すると…

出ました!

ちゃんとJISかな配列で入力できました!!
とはいうものの、このままでは、単にひらがなが入力できるだけで、漢字変換できません。そこで、今度は、日本語 (ローマ字) の設定を見てみると、ハードウェアキーボードが選択できる事に気づきます。具体的には、US/フランス/ドイツのハードウェアキーボードが選択できます。

そこで、アイスランドと同様にフランス語ファイル (French.uchr) を変更してみます。
そして、日本語(ローマ字)のハードウェアキーボードをフランス語に設定すると……
見事に漢字変換対象として、かな入力ができました。

しかも、さらに重大な問題が発生しました。
濁点などが、一文字にならず、例えば、「が」を入力すると「か」と「゛」の二文字が入力されてしまい、そのままでは「が」として変換されないのです。
これでは、とても実用にはなりません。

そこで、ATOK Padを試してみました。

ATOK Padは、独自のかな漢字変換エンジンで動作しているため、前述のような入力を補正してくれるのではないかと考えたのです。そして、恐る恐るやってみると… や、やりました!! 見事かな入力で、かな漢字変換成功です!

しかし、ここでさらなる問題が。
スペースキーを押して変換すると、iOSの変換候補とATOKの変換候補の両方が表示されてしまうのです。ここで、先ほどのアイスランド語のキーボードに切り替えてみます。アイスランド語のキーボードでは、iOS標準変換機能は動作しないため、かな文字だけがATOKに渡され、無事かな漢字変換完了です。

これで一安心と思って、ちょっと長めの文章を打ってみると、長音記号が入力できない事に気が付きました。これは、まずいです。しかし、さっきローマ字+フランス語キーボードを使った場合は、長音記号が入力できました。そこで、アイスランド語ではなく、フランス語キーボードを追加し、フランス語キーボードで、ATOKを使ってみると…

できました!

アイスランド語と、フランス語では記号の位置が異なり、そのため、KANA.uchrに入れ替えた時に、一部入力されるキーが違うことが判明しました。アイスランド語は、「ー」が入力できませんが、フランス語は、かぎ括弧の閉じ"」"が入力できません。実用上は、フランス語キーボードを選択する事になりそうです。

さて、ここまでは、US配列外付けキーボードを使っていました。
そして、ここで、もう一つ、Apple純正のBluetooth JISキーボードも試してみました。

Bluetoothなので、どうかと思いましたが、結果は完璧で、今までの苦労が嘘のように、完全に刻印通りの快適なかな入力が可能です!
やっぱり、本格的にJIS入力したい人は、純正のJISキーボードがおすすめですね。

■ まとめ

・iOS4以上で、Jailbreakしていること
・キーマップファイル *.uchr を KANA.uchr と入れ替える
・入れ替え言語は、フランス語がよさそう
・外部キーボードは、Apple 純正 JIS キーボードがベスト
・日本語入力には、ATOK Pad が必要
※ なお、ATOK Pad は、Jailbreak や iPad での動作は保証していないので、こちらも自己責任で。

なにはともあれ、念願のJISかな入力に大感激です!
さて、ばりばり入力するぞー!!


Category: PC ( iPod touch/iPhone )