[2018/03/07] キュボロを自作してみた (木工編)

キュボロは直径2cmの穴や溝がある一辺5cmの立方体の積み木です。
これを穴や溝が繋がるように積み上げ、ビー玉を転がして遊ぶ、知育玩具です。
ビー玉がうまく転がるように、非常に高精度で作成された木製玩具のため、お値段もかなりお高めです。

欲しいけど高いなーと思っていた矢先、ホームセンターでアートブロックという5cm立法の木材が販売されているのを見かけました。
1コ148円とお手頃で、自宅には木材用の電動工具が色々あるので、自作してみることにしました。
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キュボロの基本は、立方体表面の溝と内部を通る穴です。
それぞれ、直線と曲線があります。
今回使用した木工用機材は、下記です。
全部新規に購入すると安くても3万円程度はかかるので、材料費や手間を考えたら、キュボロの価格に納得すると思います。


  • ボール盤

  • トリマー

  • ハンドドリル
  • 彫刻刀
  • フォスナービット (19mm)

  • ルータービット (19mm)

  • 回転砥石ビット (19mm)



  1. 直線穴

    木工用ドリルで行けそうですが、実は、ドリルは単純に穴をあけるだけの道具なので、切削面が綺麗とは言い難いものになります。
    特に、貫通穴の縁がギザギザになってしまい、玩具としてはちょっと危ないです。
    そこで、フォスナービット(座繰りビット)というドリルを使います。
    これは、本来は貫通穴ではなく、底が平らな止め穴を掘るためのドリルですが、表面を少しずつ削り取りながら進む構造のため、切削面が通常の木工用ドリルより滑らかになります。
    本家キュボロの穴は直径2cmですが、あとで仕上げや調整を考えて、19mmのフォスナービットを使います。

    ボール盤があるとベストですが、ハンドドリルの場合は、垂直ガイドなどを使用して、両側から穴をあけて、真ん中で繋がるようにします。
    多少ずれるので、丸ヤスリで平らに慣らして行きます。この時点でちょうど20mmくらいになると思います。

    斜めの貫通穴も同様に。両側から開けてつなぐ方が綺麗に行きます。

  2. 曲線穴

    R=25mmの綺麗な穴は、通常の工具では不可能です。キュボロの社長のインタビュー記事では、専用の工具を開発したとのことなので、まったく同じようにはあけられません。
    とりあえず、ビー玉が少しでも滑らかに転がるように、二方向から17mm程度の穴をあけ、内部を彫刻刀で削って繋ぎます。
    内部の仕上げは、半球型の回転ヤスリや球状の回転砥石を使います。
    はじめから回転ヤスリで少しずつ彫り進むのも良いですが、時間的には、大雑把に彫刻刀で貫通させて、その後に回転ヤスリと回転砥石で滑らかに仕上げる方が早いです。

    慣れてきたら、最初の切削を17mmより浅くして、接続部分のRをゆるくすると、ビー玉がなめらに方向転換して、減速しづらくなるので、より本物らしく動くと思います。

    できるだけ機械化したい方は、切削深度を25mmにして、直接19mmの回転ヤスリで、9.5mm掘り下げれば、R=9.5mmの直角コーナーとして内部で繋がります。この場合は、ビー玉の勢いが方向転換の時にかなりおちることになりますので、長い直線から方向転換がうまくいかない場合がでます。

    斜めの貫通穴は、中心の穴は水平に開けて、下へ落ちる穴を傾斜させて開けます。

  3. 直線溝

    トリマーを使う方法もありますが、トリマーだと直線ガイドの設置が結構大変です。
    特にボール盤をお持ちの方は、2コ合わせて、その境目をフォスナービットで加工した方が簡単です。
    ただし、ハンドドリルと垂直ガイドだと正確な直線にならないで、溝の深さが均一にならない場合があるので、ボール盤はないけど、トリマーは持っているという方は、時間はかかりますが、直線ガイドを使った方が綺麗にできます。

  4. 曲線溝

    R=25mmの綺麗な溝を作るのは結構大変です。綺麗に円形にするには、トリマーが円形に移動するガイド盤を最初に作成し、しかも、アートブロックとガイドがいい感じになるようにアートブロックを固定するガイドも作成しないといけません。

    多少歪んでも良い場合は、アートブロックにR=25のマーキングをして、彫刻刀でざっくり掘り、回転ヤスリで仕上げます。

    機械化したい方は、トリマーを手の力だけで抑えて、ガイドをなぞる方法もあります。
    この場合は、波々の道など簡単に作成できるので、応用範囲は広いですが、その分仕上がりは、腕次第になります。

Category: DIY ( 木工 )